紅茶の歴史のひとつに「アフタンーンティー」があります。
ホテルのラウンジやティールームで3段のアフタヌーンティースタンドと紅茶を楽しんだことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
アフタヌーンティーの発祥は1840年代のイギリス。
7代目ベッドフォード公爵夫人のアンナ・マリア(1788〜1861)が始めた習慣でした。
公爵夫人のお名前を聞いただけではピンと来ない方も実は意外と身近なところで見かけているかもしれません。
実はKIRINさんから出ている午後の紅茶なんです。
ペットボトルなどに象徴的に描かれているこの女性は「午後の紅茶」の名前に因んでアフタヌーンティーの習慣を広めてたアンナ・マリアをモデルにしています。
当時イギリスの人々は朝夕2食の食事でランチはありませんでした。
かと言って、当時公爵夫人が自らキッチンに入るということは出来ず、お腹が空いても好きな様に何かを食べるという訳にはいきません。
(当時キッチンは使用人が働く場所でした。イギリスのドラマ、ダウントン・アビーをご覧の方はイメージしやすいでしょうか?)
当時お茶は薬として重用されていました。
現代でも「空腹を避け・・・」という注意書きがあるお薬もありますが、当時も薬であるお茶を頂く時にはパンなどを食してからとされていました。
そこで、お茶を所望することでバター付きパンを食べて空腹を紛らわそうと思い立ちました。
最初は個人的に始めましたが、アンナ・マリアはこの習慣を周囲の女性に広め お茶と軽食を用意してお喋りを楽しむようになります。
ドローイングルーム(Drawing room)=客間にお招きしてアフタヌーンティーを楽しみました。女性のみということでコルセットを外しティードレスと呼ばれる締め付けないリラックスした服装で楽しんだそう。
そしてヴィクトリア女王もこのアフタヌーンティーの習慣を体験します。
もともとマリア・アンナはヴィクトリア女王の母君に仕えており、まだ幼少だったヴィクトリアの憧れだったとも言われています。そのため自分が女王になってからもマリア・アンナを慕い宮仕えを命じていたのですが、宮廷内のいざこざでお役目を退いていたとか。その後もマリア・アンナを慕うヴィクトリア女王が彼女の住むお屋敷を訪問することになり、アフタヌーンティーでおもてなししました。これにより王室にもアフタヌーンティーが広まっていきました。
こうしてイギリスで始まったアフタヌーンティーの習慣は嬉しいことに私たちも楽しむことが出来ます。
今後、本ブログではホテルやティールームのアフタヌーンティーについてもご紹介していきたいと考えています。
宜しくお願い致します。